OS自作でコンピューターの仕組みを理解しよう!Rustによる実践的システム開発

こんにちは!普段何気なく使っているスマートフォンやパソコンですが、その裏側でどんなことが起こっているか考えたことはありますか?

アプリを起動したり、ファイルを保存したり、キーボードで文字を入力したり…こうした当たり前の操作の背後には、OSという非常に複雑で精巧なソフトウェアが動いているんです。

でも、現代のOSは高機能すぎて、その仕組みを理解するのは至難の業ですよね。そこで登場するのが「OS自作」という学習アプローチです!

今回は、RustでOS自作に挑戦できる素晴らしい書籍を見つけたので、詳しくご紹介していきます。この本を読めば、コンピューターサイエンスの本質的な理解が一気に深まりますよ!

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目次

なぜOS自作でシステムの本質が分かるのか

コンピューターの裏側を理解する重要性

現代のソフトウェア開発では、フレームワークやライブラリの力で、複雑な処理を簡単に実装できるようになりました。

でも、その便利さの代償として、「コンピューターが実際にどう動いているか」を理解せずに開発することが多くなっています。

OS自作を通じて学ぶことで、メモリ管理、プロセス管理、ハードウェア制御といった、システムの根幹部分がどう実装されているかを体験できます。これは、高性能なアプリケーション開発や、システムの障害対応において非常に重要な知識なんです。

OS自作とベアメタルプログラミングの魅力

OS自作の醍醐味は、「ベアメタルプログラミング」にあります。

ベアメタルとは、OSが存在しない「生のハードウェア」の状態のことです。普段私たちが使っているprintfやmalloc、ファイル操作といった基本的な機能は、すべてOSが提供してくれているもの。

それらが一切ない状態から、一つずつ機能を実装していくのがベアメタルプログラミングです。最初は画面に1つの点を描くだけでも大変ですが、だんだん複雑な処理ができるようになっていく過程は、まさに「コンピューターを理解していく」感覚そのものです!

本書で学べる実践的スキル

今回ご紹介する「[作って学ぶ]OSのしくみⅠ──メモリ管理、マルチタスク、ハードウェア制御」は、OS自作を通じてシステムプログラミングを実践的に学べる優れた書籍です。

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著者のhikalium(ひかりうむ)さんは、小学生の頃からOS自作に取り組み、現在はGoogleでChrome OSの開発に従事している本物のエキスパートです。IPA主催のセキュリティ・キャンプでも講師を務められており、難しい内容を分かりやすく教えることに長けています。

552ページという大ボリュームで、ベアメタルプログラミングの基礎から、メモリ管理、マルチタスク、ハードウェア制御まで、OS開発に必要な技術を体系的に学ぶことができます。

Rustでベアメタルプログラミングをマスターしよう

OSのない世界でのプログラミング基礎

ベアメタルプログラミングでは、まず「OSがない環境でプログラムを動かす」ということから始まります。

普段のプログラミングでは当たり前に使っている標準ライブラリ(stdクレート)は使えません。代わりに、coreクレートという最小限の機能だけを使って開発を進めます。

本書では、この制約された環境でどうやってプログラムを作っていくか、実際のコード例とともに丁寧に解説されています。16進法、バイナリ表現、コンパイラの仕組みといった基礎的な概念から始まるので、初心者でも安心して取り組めます。

UEFIアプリケーションから始める実装

現代のコンピューターは、電源を入れると最初にUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)というファームウェアが起動します。

本書では、まずこのUEFI上で動くアプリケーションを作ることから始めます。Rustの開発環境の構築から、実際にQEMUエミュレーター上でプログラムを動かすまで、手順が詳しく説明されています。

「Hello, World」から始まって、段階的に機能を追加していく構成になっているので、挫折しにくいのが素晴らしいポイントです。

フレームバッファとグラフィックス描画

OSのない環境でも、画面に何かを表示したいですよね!

本書では、フレームバッファという仕組みを使って、画面に直接描画する方法を学びます。点を描く、線を描く、四角形を描く、そして文字を表示する…という具合に、段階的にグラフィックス機能を実装していきます。

このプロセスを通じて、普段何気なく使っているグラフィックス機能がどのように実現されているかを理解できます。現代のゲーム開発やGPUプログラミングの基礎にもつながる重要な知識です。

バイナリとハードウェアの関係

「すべてはバイナリ」という章では、コンピューターの根本的な仕組みを学びます。

数値、文字列、画像、そしてプログラム自体も、すべて0と1の組み合わせ(バイナリ)で表現されています。この基本原理を理解することで、コンピューターがなぜこのように動作するのかが見えてきます。

また、コンパイラがソースコードをどのようにバイナリに変換するかについても詳しく解説されています。これは、プログラムの最適化や、低レベルなデバッグ作業において非常に重要な知識です。

メモリ管理の仕組みを実装から理解する

メモリアロケータの実装とアライメント

OSの重要な役割の一つが、メモリ管理です。

本書第3章では、実際にメモリアロケータ(メモリ確保・解放の機能)を実装します。なぜアライメント(メモリの境界調整)が必要なのか、メモリの速度とバス幅の関係、キャッシュの仕組みなど、普段は意識しない低レベルな仕組みを学べます。

これらの知識は、高性能なプログラムを書く際や、メモリリークなどの問題を解決する際に直接役立ちます。実際に手を動かして実装することで、理論だけでは得られない深い理解が得られるんです。

ページングによる高度なメモリ管理

現代のOSでは、ページングという仕組みを使ってメモリを管理しています。

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ページングは、物理メモリを固定サイズの「ページ」に分割し、仮想アドレスから物理アドレスへの変換を行う仕組みです。これにより、プロセス間のメモリ保護や、物理メモリより大きなメモリ空間の利用が可能になります。

本書では、x86_64アーキテクチャにおけるページングの実装を詳しく解説しています。ページテーブルの作成、設定、動作確認まで、実際のコードを通して学ぶことができます。

割り込み処理と例外処理の実装

OSのもう一つの重要な機能が、割り込み処理と例外処理です。

キーボードが押された、タイマーが満了した、メモリアクセス違反が発生した…こうした「イベント」に対して、OSがどのように対応するかを学びます。

GDT(Global Descriptor Table)、IDT(Interrupt Descriptor Table)、TSS(Task State Segment)といった、x86_64アーキテクチャ特有の仕組みについても詳しく解説されています。これらの知識は、システムレベルのデバッグや、セキュリティ解析において非常に重要です。

実際のOSで使われるメモリ管理技術

本書で実装するメモリ管理機能は、実際のOSでも使われている技術をベースにしています。

Linuxカーネルや、著者が開発に関わっているChrome OSでも、同様の原理でメモリ管理が行われています。つまり、この本で学んだ知識は、実際のシステム開発の現場でも直接活用できるということです。

また、Rustの所有権システムとメモリ安全性についても触れられており、現代的なシステムプログラミングのアプローチも学べます。

マルチタスクとハードウェア制御に挑戦

async/awaitによる協調的マルチタスク

現代のアプリケーションでは、複数の処理を並行して実行するマルチタスクが当たり前になっています。

本書では、Rustのasync/await機能を使って、協調的マルチタスクを実装します。Future trait、Waker、Executor といった、Rustの非同期プログラミングの核心的な概念を、OS開発という実践的な文脈で学ぶことができます。

また、タイマー機能の実装を通して、時間の管理やスケジューリングの基礎も学べます。HPET(High Precision Event Timer)という実際のハードウェアタイマーを制御する方法も解説されています。

PCIデバイスの発見と制御

現代のコンピューターでは、CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークカードなど、様々なデバイスがPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続されています。

本書では、PCIバスに接続されたデバイスを発見し、制御する方法を学びます。Bus、Device、Function という概念や、ベンダーID、デバイスIDによるデバイス識別の仕組みを実際のコードで体験できます。

この知識は、ドライバー開発や、ハードウェアの詳細な制御が必要なシステム開発において非常に重要です。

USBコントローラ(xHCI)ドライバの実装

USBデバイスの制御は、現代のOSにとって必須の機能です。

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本書では、xHCI(eXtensible Host Controller Interface)という最新のUSBコントローラの制御方法を詳しく解説しています。コントローラの初期化、デバイスの検出、アドレスの割り当てといった、USB通信の基本的な流れを実装します。

Memory Mapped I/O、レジスタ制御、DMA(Direct Memory Access)といった、ハードウェア制御の基本的な概念も学べます。IoBoxという仕組みを通して、CPUキャッシュとMemory-mapped I/Oの関係についても理解できます。

キーボード・マウス入力の処理

USBコントローラが動作するようになったら、次は実際のUSBデバイスを制御してみましょう!

第6章では、USBキーボードとUSBマウス(タブレット)の制御方法を学びます。HIDレポートディスクリプタの解析、キーコードから文字への変換、Nキーロールオーバーの対応など、実用的な入力処理を実装します。

キーボードレイアウトの問題や、マウスの座標系の扱いなど、実際の開発で遭遇する現実的な課題についても触れられています。これらの知識は、ゲーム開発や組み込みシステム開発でも活用できます。

システム開発スキルをさらに向上させよう

本書で身につく低レベルプログラミング技術

この書籍を通して学ぶことで、以下のような技術スタックが身につきます:

  • Rustによるベアメタルプログラミング
  • メモリ管理とページング実装
  • 割り込み・例外処理の仕組み
  • 非同期プログラミング(async/await)
  • PCIデバイスの制御
  • USBプロトコルとHID(Human Interface Device)
  • ハードウェア制御とドライバー開発
  • システムレベルのデバッグ技術

これらのスキルがあれば、組み込みシステム開発、デバイスドライバー開発、高性能アプリケーション開発など、幅広い分野で活躍できます!

実ハードウェアでの動作確認方法

本書の素晴らしい点の一つが、実際のハードウェアでの動作確認方法も解説されていることです。

QEMUエミュレーターでの開発が基本ですが、USBメモリを使って実機で起動する方法も詳しく説明されています。自分が作ったOSが実際のコンピューターで動く瞬間は、本当に感動的ですよ!

FATファイルシステムでのフォーマット、UEFIブートローダーの配置、実機特有の注意点など、実用的な情報も充実しています。

次のステップとおすすめ学習リソース

OS自作の基礎をマスターしたら、次はより高度な機能に挑戦してみることをおすすめします。

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ファイルシステムの実装、ネットワーク機能、より高度なメモリ管理(仮想メモリ、スワップ)、セキュリティ機能などが次のステップになります。

また、本書は「Ⅰ」とタイトルに付いているように、シリーズの第一弾です。続編では、より高度なOS機能が扱われる予定なので、そちらも楽しみですね。

関連書籍として、同シリーズの「[作って学ぶ]ブラウザのしくみ」「作って理解する仮想化技術」なども紹介されており、システム全体への理解を深めることができます。

hikalium氏のように、小学生から OS自作に取り組むことで、最終的にGoogleのような世界的企業でシステム開発に携わるエンジニアになることも可能です。

OS自作は確かに難しい分野ですが、コンピューターサイエンスの本質を理解するための最高の学習方法でもあります。普段使っているソフトウェアの「裏側」がどうなっているかを知ることで、プログラマーとしてのレベルが大きく向上します。

Rustという現代的なシステムプログラミング言語を使うことで、従来のC/C++よりも安全で効率的なOS開発が体験できるのも大きな魅力です。

ぜひこの機会に、OS自作という冒険に挑戦してみませんか?きっと、コンピューターに対する見方が根本的に変わる体験になるはずです!

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