AWS LambdaとECS・EKSを理解しよう!サーバーレスとコンテナの使い分け

こんにちは!最近のアプリケーション開発で「サーバーレス」や「コンテナ」という言葉をよく聞きませんか?

「どちらを選べばいいの?」「それぞれの違いは何?」と悩んでいる方も多いと思います。

私も最初は同じでした。Lambda、ECS、EKS…たくさんのサービスがあって、どれを使えばいいか全然分からない状態でした。

でも大丈夫です!一度整理して理解すれば、それぞれの特徴と適用場面がクリアに見えてきます。

今回は「図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術が これ1冊でしっかりわかる教科書[改訂2版]」を参考に、AWS Lambdaを中心としたサーバーレス技術と、ECS・EKSのコンテナサービスについて分かりやすく解説していきます!

図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術が これ1冊でしっかりわかる教科書 [改訂2版] [ 小笠原 種高 ]
created by Rinker
¥2,200 (2025/09/11 16:09:31時点 楽天市場調べ-詳細)
目次

サーバーレスとコンテナ、どちらを選ぶべき?

現代のアプリケーション開発の選択肢

アプリケーションを開発・運用する方法は、近年大きく変化しています。

従来の方法:

  • 物理サーバーや仮想マシンに直接アプリを配置
  • サーバーの管理・保守が必要
  • スケールアップ・ダウンが手動

現代の選択肢:

  • サーバーレス: サーバー管理不要、自動スケール
  • コンテナ: アプリの可搬性向上、効率的なリソース利用
  • マネージドサービス: インフラ運用をクラウド事業者に委託

この中でも特に注目されているのが、サーバーレスとコンテナの技術です。

サーバーレスとコンテナの基本的な違い

まず、それぞれの基本概念を整理してみましょう。

サーバーレス(AWS Lambda):

  • サーバー管理が完全に不要
  • 関数単位でのコード実行
  • 使った分だけの従量課金
  • 自動的なスケーリング

コンテナ(ECS/EKS):

  • アプリケーションを軽量な仮想環境で実行
  • 開発環境と本番環境の一致
  • 効率的なリソース利用
  • Dockerなどの技術を活用

どちらも「従来のサーバー管理の手間を減らす」という目的は同じですが、アプローチが異なります。

選択の基準:

  • 処理時間: 短時間ならLambda、長時間ならコンテナ
  • 実行頻度: 不定期ならLambda、常時稼働ならコンテナ
  • アプリの複雑さ: シンプルならLambda、複雑ならコンテナ

これらの違いを理解することで、適切な技術選択ができるようになります。

AWS Lambdaでサーバーレス開発を始めよう

AWS Lambdaとは何か

AWS Lambdaは、AWSが提供するサーバーレスコンピューティングサービスです。

Lambdaの特徴:

  • サーバー管理不要: インフラの設定・保守が一切不要
  • 自動スケーリング: リクエスト数に応じて自動で処理能力を調整
  • 従量課金: 実行時間とメモリ使用量に基づく課金
  • 多言語サポート: Python、Node.js、Java、C#、Go、Rubyなど

Lambdaの動作仕組み:

  1. イベントが発生(APIリクエスト、ファイルアップロードなど)
  2. Lambdaが自動で起動
  3. コードを実行
  4. 結果を返して自動終了

このシンプルな仕組みにより、開発者はビジネスロジックに集中できます。

サーバーレスアーキテクチャのメリット

サーバーレスアーキテクチャを採用することで、多くのメリットが得られます。

開発・運用面のメリット:

  • 開発速度の向上: インフラ設定が不要で、コード開発に集中
  • 運用負荷の軽減: サーバー管理、セキュリティパッチ適用が不要
  • 自動スケーリング: トラフィック変動への自動対応

コスト面のメリット:

  • 初期費用ゼロ: サーバー購入や設定費用が不要
  • 使用分のみ課金: アイドル時間の費用が発生しない
  • 運用費削減: 人的リソースの削減が可能

技術面のメリット:

  • 高可用性: AWSが自動で冗長化・障害対応
  • セキュリティ: AWS側でセキュリティ対策を実施
  • 最新技術: 常に最新のランタイム環境を利用可能

これらのメリットにより、特にスタートアップや小規模開発チームで人気が高まっています。

Lambdaの実行環境と制限事項

Lambdaを使う際に知っておくべき制限事項があります。

主な制限事項:

  • 実行時間: 最大15分
  • メモリ: 128MB~10,240MB
  • 一時ディスク容量: /tmpディレクトリで最大10GB
  • パッケージサイズ: 直接アップロード250MB、S3経由50MB

適用場面の例:

  • 適している: Webアプリのバックエンド処理、データ変換、画像リサイズ
  • 適していない: 長時間バッチ処理、大容量ファイル処理、常時稼働アプリ

これらの制限を理解することで、Lambdaが適用できるかどうかを判断できます。

コンテナサービスECSとEKSの特徴

Amazon ECS(Elastic Container Service)の概要

Amazon ECSは、AWSが提供するコンテナオーケストレーションサービスです。

ECSの特徴:

  • AWS独自: AWSに最適化された設計
  • シンプル: 学習コストが比較的低い
  • フルマネージド: インフラ管理をAWSが担当
  • 他AWSサービスとの統合: IAM、CloudWatch、ALBなどとのシームレス連携

ECSの主要コンポーネント:

  • クラスター: コンテナを実行するリソースの集合
  • タスク定義: コンテナの実行設定(CPUやメモリなど)
  • サービス: タスクの実行数を管理・維持

ECSは「AWSでコンテナを簡単に使いたい」という場合に適しています。

Amazon EKS(Elastic Kubernetes Service)の概要

Amazon EKSは、Kubernetesを使ったコンテナオーケストレーションサービスです。

EKSの特徴:

  • Kubernetes標準: 業界標準のKubernetesを使用
  • ポータビリティ: 他のクラウドやオンプレミスでも同じ設定
  • 豊富なエコシステム: Kubernetesの豊富なツール群を活用
  • 高度な機能: 複雑なアプリケーション管理に対応

Kubernetesの主要概念:

  • Pod: コンテナの実行単位
  • Deployment: Podの管理・スケーリング
  • Service: ネットワーク経由でのPodアクセス

EKSは「Kubernetesの知識を活用したい」「複雑なマイクロサービスを管理したい」場合に適しています。

図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術が これ1冊でしっかりわかる教科書 [改訂2版] [ 小笠原 種高 ]
created by Rinker
¥2,200 (2025/09/11 16:09:31時点 楽天市場調べ-詳細)

ECSとEKSの違いと選び方

ECSとEKSのどちらを選ぶかは、チームの状況と要件によります。

ECSを選ぶべき場合:

  • AWS中心の開発・運用
  • シンプルなコンテナアプリケーション
  • Kubernetesの学習コストを避けたい
  • AWSサービスとの密結合でOK

EKSを選ぶべき場合:

  • Kubernetesの知識・経験がある
  • マルチクラウドやハイブリッド環境
  • 複雑なマイクロサービスアーキテクチャ
  • Kubernetesエコシステムを活用したい

学習コストの比較:

  • ECS: AWS特有の概念のみ学習すればOK
  • EKS: Kubernetes全般の知識が必要

まずは要件を整理して、どちらが自分のプロジェクトに適しているかを判断しましょう。

API GatewayとLambdaの組み合わせ

Amazon API Gatewayの役割

API Gatewayは、RESTやWebSocket APIを作成・管理するためのサービスです。

API Gatewayの機能:

  • API管理: バージョン管理、ドキュメント生成
  • 認証・認可: IAM、Cognito、Lambda オーソライザー
  • レート制限: API呼び出し回数の制御
  • キャッシュ: レスポンスのキャッシュでパフォーマンス向上

Lambdaとの連携メリット:

  • サーバーレスでAPIを構築可能
  • 自動スケーリング
  • 従量課金モデル
  • 高可用性

この組み合わせにより、インフラ管理不要でWebAPIを構築できます。

サーバーレスWebAPIの構築方法

API Gateway + Lambdaでの典型的な構築パターンを見てみましょう。

基本的な構成:

  1. フロントエンド: Webアプリやモバイルアプリ
  2. API Gateway: HTTPリクエストを受信
  3. Lambda: ビジネスロジックを実行
  4. データベース: DynamoDBやRDSにデータ保存

実装の流れ:

  1. Lambda関数を作成(Python、Node.jsなど)
  2. API Gatewayでエンドポイントを定義
  3. LambdaとAPI Gatewayを連携
  4. 認証・認可の設定
  5. デプロイとテスト

メリット:

  • インフラ管理不要
  • 自動スケーリング
  • 高い可用性
  • 素早いプロトタイピング

この構成は、特にWebアプリケーションのバックエンドAPIとして人気です。

EventBridgeとの連携パターン

Amazon EventBridgeを使うことで、イベント駆動アーキテクチャを構築できます。

EventBridgeの特徴:

  • イベントルーティング: 様々なソースからのイベントを適切な宛先に配信
  • カスタムイベント: 独自のイベントを定義・配信
  • スケジューリング: 定期実行やcron風のスケジュール

Lambdaとの連携例:

  • 定期バッチ処理: スケジュールに基づいてLambdaを実行
  • イベント処理: S3のファイルアップロードをトリガーにLambda実行
  • マイクロサービス連携: サービス間のイベント通信

この組み合わせにより、疎結合で拡張しやすいアーキテクチャを構築できます。

DevOpsとコンテナオーケストレーション

DevOpsでのコンテナ活用

DevOpsにおいて、コンテナ技術は重要な役割を果たします。

DevOpsでのコンテナメリット:

  • 環境の一致: 開発・テスト・本番環境での一貫性
  • デプロイの高速化: イメージベースの素早いデプロイ
  • ロールバック: 以前のバージョンへの迅速な復旧
  • スケーラビリティ: 需要に応じた迅速なスケール

CI/CDパイプラインでの活用:

  1. ソースコード管理: Git での変更管理
  2. ビルド: コンテナイメージの自動作成
  3. テスト: コンテナ環境での自動テスト
  4. デプロイ: ECS/EKSへの自動デプロイ

この流れにより、開発から本番運用までの自動化が実現されます。

CI/CDパイプラインとの統合

AWSでは、コンテナと相性の良いCI/CDサービスが提供されています。

主要なCI/CDサービス:

  • AWS CodeCommit: Gitリポジトリサービス
  • AWS CodeBuild: ビルドサービス
  • AWS CodeDeploy: デプロイサービス
  • AWS CodePipeline: CI/CDパイプラインオーケストレーション

典型的なパイプライン:

  1. CodeCommitへのプッシュをトリガー
  2. CodeBuildでコンテナイメージをビルド
  3. Amazon ECRにイメージをプッシュ
  4. CodeDeployでECS/EKSにデプロイ
図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術が これ1冊でしっかりわかる教科書 [改訂2版] [ 小笠原 種高 ]
created by Rinker
¥2,200 (2025/09/11 16:09:31時点 楽天市場調べ-詳細)

AWS CodeBuild・CodeDeploy・CodePipelineとの連携

各サービスの役割と連携方法を詳しく見てみましょう。

AWS CodeBuild:

  • ソースコードからコンテナイメージを自動作成
  • Dockerfileに基づくビルド
  • テストの自動実行
  • Amazon ECRへのイメージプッシュ

AWS CodeDeploy:

  • ECS/EKSへの安全なデプロイ
  • ブルー/グリーンデプロイメント
  • カナリアリリース
  • 自動ロールバック

AWS CodePipeline:

  • 全体のワークフロー管理
  • 複数段階のパイプライン
  • 手動承認ステップ
  • 他AWSサービスとの統合

これらのサービスを組み合わせることで、本格的なDevOpsパイプラインを構築できます。

実際の開発現場での使い分け指針

Lambdaが適しているケース

以下のような場面では、Lambdaの採用を検討してみてください。

処理特性:

  • 短時間処理: 数秒~数分で完了する処理
  • 不定期実行: イベント駆動の処理
  • ステートレス: セッション管理が不要な処理

具体的な用途例:

  • Web API: RESTful APIのバックエンド
  • 画像処理: アップロードされた画像のリサイズ
  • データ変換: CSVからJSONへの変換処理
  • 通知処理: メールやSNS通知の送信
  • ログ処理: CloudWatchログの解析

コスト面での適用:

  • アクセス数が不定期・少量
  • アイドル時間が長い
  • 初期投資を抑えたい

これらの条件に当てはまる場合、Lambdaは非常に効果的です。

ECS/EKSが適しているケース

一方、コンテナサービスが適している場面もあります。

処理特性:

  • 長時間処理: 数時間のバッチ処理や常時稼働
  • ステートフル: セッション管理やキャッシュが必要
  • 複雑な処理: 複数のプロセスやサービスの連携

具体的な用途例:

  • Webアプリケーション: 常時稼働するWebサーバー
  • バッチ処理: 大量データの分析・変換
  • リアルタイム処理: チャットアプリ、ゲームサーバー
  • 機械学習: 学習モデルの推論サーバー
  • データベース: キャッシュサーバーやカスタムDB

技術面での選択理由:

  • 既存のDockerコンテナ資産を活用
  • Kubernetesの知識・ツールを活用(EKS)
  • 複雑なネットワーク設定が必要

ハイブリッド構成の考え方

実際のシステムでは、LambdaとECS/EKSを組み合わせることも多いです。

組み合わせパターン例:

1. フロントエンド処理 + バックエンド処理

  • API Gateway + Lambda: ユーザーリクエストの受付
  • ECS: 重い計算処理やデータ処理

2. イベント処理 + 常駐処理

  • Lambda: S3ファイルアップロード時の前処理
  • EKS: 機械学習モデルでの推論処理

3. マイクロサービス構成

  • Lambda: 認証・認可サービス
  • ECS: ビジネスロジックサービス
  • EKS: データ処理サービス

設計のポイント:

  • 各サービスの特性を理解
  • 処理の性質に応じた適切な選択
  • コストとパフォーマンスのバランス
  • 運用・保守の容易さ

このようなハイブリッド構成により、各技術の強みを最大限活用できます。

サーバーレス・コンテナ技術を深く学ぶために

書籍で学べる実践的な設計パターン

今回の記事では、Lambda、ECS、EKSの基本概念と使い分けをご紹介しました。

「図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術が これ1冊でしっかりわかる教科書[改訂2版]」では、さらに実践的な内容が詳しく解説されています。

書籍で学べる詳細内容:

  • アーキテクチャパターン: 実際のシステム設計事例
  • セキュリティ対策: IAMロール、VPC設定の詳細
  • モニタリング: CloudWatchでの監視設定
  • コスト最適化: 料金を抑える設定テクニック
  • トラブルシューティング: よくある問題と解決方法

特に図解が豊富なので、複雑なアーキテクチャも視覚的に理解できます。

実務で役立つポイント:

  • Step Functionsによるワークフロー管理
  • Cognitoによるユーザー認証
  • SQS/SNSによる非同期処理
  • CloudFormationによるインフラ自動化

これらの内容を学ぶことで、より実践的なシステムを構築できるようになります。

次に学ぶべき関連技術

サーバーレス・コンテナ技術を理解したら、次はこれらの技術も学習することをおすすめします:

インフラ自動化:

  • AWS CloudFormation: インフラのコード化
  • AWS CDK: プログラミング言語でインフラ定義
  • Terraform: マルチクラウド対応の自動化ツール

監視・運用:

  • Amazon CloudWatch: メトリクス監視とログ管理
  • AWS X-Ray: 分散トレーシング
  • Amazon OpenSearch: ログ分析とダッシュボード

セキュリティ:

  • AWS IAM: アクセス制御の詳細設定
  • AWS Secrets Manager: 機密情報の安全な管理
  • AWS WAF: Webアプリケーションファイアウォール

データベース・ストレージ:

  • Amazon DynamoDB: NoSQLデータベース
  • Amazon S3: オブジェクトストレージ
  • Amazon RDS: リレーショナルデータベース
図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術が これ1冊でしっかりわかる教科書 [改訂2版] [ 小笠原 種高 ]
created by Rinker
¥2,200 (2025/09/11 16:09:31時点 楽天市場調べ-詳細)

これらの技術も同じ書籍で体系的に学べるため、効率的にAWSスキルを習得できます。

まとめ

今回は、AWS Lambdaを中心としたサーバーレス技術と、ECS・EKSのコンテナサービスについて解説しました。

重要なポイントをおさらいすると:

  • Lambda: 短時間・イベント駆動の処理に最適
  • ECS: AWS特化の簡単なコンテナ管理
  • EKS: Kubernetes標準の高機能コンテナ管理
  • 使い分け: 処理特性と要件に応じた適切な選択
  • ハイブリッド: 複数技術の組み合わせで最適化

現代のアプリケーション開発では、これらの技術を適切に使い分けることが重要です。

まずは小さなプロジェクトから始めて、それぞれの特性を実際に体験してみてください。

そして、より深い理解のために書籍も活用して、実践的なスキルを身につけていきましょう!

サーバーレスとコンテナ、どちらも現代の開発には欠かせない技術です。継続的に学習して、効率的なシステム開発を目指していきましょう!

図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術が これ1冊でしっかりわかる教科書 [改訂2版] [ 小笠原 種高 ]
created by Rinker
¥2,200 (2025/09/11 16:09:31時点 楽天市場調べ-詳細)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次